ルース(裸石)とは何か

 ダイヤモンドは掘り出された原石の状態からカットされ研磨されたものをルース(裸石)といいます。ルースになるまでにはカットや研磨という加工が必要ですが、ルースになった後にダイヤモンド自体が加工されることはほぼありません。

 また、ダイヤモンドはその化学特性によりあらゆる鉱物の中で最高の剛性をもち、そのため価値の減耗がほとんどありません。このような特性は金(ゴールド)や土地、有価証券に似ています。実際に会計上ダイヤモンドは減価償却のされない、つまり資産価値が経年劣化しない「投資等資産」に計上されます。

 ダイヤモンドの本質的な価値は裸石(ルース)の時点で決まっています。ダイヤモンドを指輪にしたりペンダントにしたりイヤリングにしたり使い方はいろいろですが、これはすべてダイヤモンド自体の価値に影響を与えません。非常に素敵な細工やオーダーメイドの特別なデザイン、販売店のブランドもジュエリーとしての価値を高めるかもしれませんが、ダイヤモンドの価値を変えるものではないのです。

 ダイヤモンドはサービスではなく、また消費財でも耐久財でもありません。生産者や生産地にかかわらず販売者や販売方法にかかわらず、『ダイヤはダイヤ』なのです。